カナダで車を利用する際に重要なポイントのひとつが高速道路の料金システムです。カナダの高速道路は基本的に無料ですが、一部には有料道路が存在します。
本記事では、無料道路と有料道路の違いについて説明し、特にオンタリオ州の有料道路「407ETR」について詳しく解説します。
目次
無料の高速道路
カナダの高速道路は整備が行き届いており、主要な都市を結ぶ道路のほとんどが無料で利用できます。高速道路の入り口にゲートや料金所がないため、スムーズに車を走らせることができます。この無料のシステムは、一般の通勤者や観光客にとって便利であり、多くの人々が利用しています。
しかし、無料であるがゆえに、特に朝晩のラッシュ時には渋滞が発生することが多く、トロント周辺では渋滞が頻発するため、時間に余裕を持った移動が求められます。
ONroute:サービスエリア
カナダの高速道路には「ONroute」と呼ばれるサービスエリアが約35キロごとに設置されており、長距離運転中に便利な休憩場所となっています。ONrouteには、ガソリンスタンド、レストラン、カフェ、休憩スペースなどが整備されており、清潔なトイレも利用可能です。
私もONrouteをいくつか利用しましたが、どの場所も非常に清潔で、快適に利用できました。ただし、お土産品の取り扱いはほとんどなく、一般的にはコンビニやカフェチェーン(スターバックスやティムホートンズなど)が入っています。ドライブの途中で立ち寄り、リフレッシュするのに最適です。
有料の高速道路:407ETR
オンタリオ州には「407ETR(Express Toll Route)」と呼ばれる有料の高速道路があり、トロント周辺の渋滞を避けたいときに利用されることが多いです。407ETRは完全自動料金収受システムを採用しており、入口や出口にゲートや改札はなく、24時間自由に出入りすることができます。
この道路の特徴は、ナンバープレートをカメラで撮影し、後日請求書を送付するシステムです。車両が407ETRに入ると、頭上に設置されたカメラが車のナンバープレートを撮影し、その登録情報を基に請求書が郵送されます。
私は寝ぼけて407の有料道路に入ったことがあります。無料高速道路を走行中、その先、左車線はそのまま無料高速道路、一方で右車線は407ETRでした。右車線を走っていた私は、そのことに気づかず、そのまま有料道路に入ってしまいました。
407ETRの料金体系
407ETRの料金は以下のように4つに分かれています:
Standard Fees And Charges | With transponder | No transponder |
---|---|---|
①Trip Toll Charge(使用料金) Not a per-kilometre charge. Applies to travel on Highway 407 ETR only | $1.00 per trip | $1.00 per trip |
②Account Fee(月額アカウント代金) Applied to monthly bill. | – | $4.75 per month |
③Camera Charge(カメラ代) Applies to a camera recorded trip. | トランスポンダーが あると請求なし | $5.20 per trip |
④Toll Charge(通行料金) | 後ほど解説 | 後ほど解説 |
こちらから抜粋 |
Toll Chargeについて
④の通行料金は、車両の種類、利用時間帯、走行距離に応じて設定されています。詳細はこちらへ
車両の種類:Light Vehicle, Heavy Single, Heavy Multi
走行距離:Zone1からZone12まであります。
利用時間帯:
通勤時間帯(平日 7:00–9:00、15:30–18:00)が一番高い料金設定になっていますね。
407ETRの支払い方法
407ETRの利用料金は、請求書を受け取った後にオンラインや電話で支払うことができます。オンラインでの支払いは、公式ウェブサイトから行うのが便利です。また、電話での支払いも可能なため、支払い方法が柔軟に選べるのも特徴です。
オンラインで支払いたいという方は、こちらをクリックして下さい。407ETRウェブサイトへ移ります。
Transponderの利用でお得に!
頻繁に407ETRを利用する方には、「Transponder(トランスポンダー)」と呼ばれる端末の利用をお勧めします。407ETRのオフィシャルサイト(こちら)から購入もしくはリースできます。
この機械は、日本のETCと似た役割を持っており、ダッシュボードに設置することでカメラチャージが免除され、料金が安くなります。
Transponderのリースには、年間 $29.50 または月額 $4.75 の2つのプランがあり、月に1回以上407ETRを利用するなら、Transponderを使用する方が安くなる可能性が高いです。
Transponder Fees | |
---|---|
Security Deposit (when applicable) For business accounts, applies to the first 20 transponders up to a maximum of $1,000. | $50.00 per transponder |
Monthly Lease Fee(月額) Charged monthly, regardless of trip count, plus an additional $1.20 per month for each transponder on the same account. | $4.75 (plus applicable taxes) |
Annual Lease Fee(年間) The annual fee is non-refundable and charged yearly, regardless of trip count. An extra $11.95 will be applied for each additional transponder on the same account, or $6 for each transponder added less than six months from account activation. | $29.50 (plus applicable taxes) |
Transponder Replacement Fee Applied in the event a transponder is misused, abused, lost or stolen, or not returned to us. | $50.00 (plus applicable taxes) |
こちらから抜粋 |
頻繁に利用する方は、Transponderを導入することで、結果的に節約につながるでしょう。
407ETRを避けたい場合のナビ設定
カナダを訪れる際、407ETRなどの有料道路を避けたい場合は、ナビゲーションアプリの設定で「Avoid tolls:有料道路を避ける」機能を活用すると便利です。GoogleマップやWazeの設定方法は以下の通りです。
有料道路回避設定方法:グーグルマップ
- グーグルマップアプリを開きます。PCからでも同じです。
- 画面左上にあるグーグルアカウントのアイコンを押してください。
- メニューから「設定(Settings)」を選択します。この画像はありません。
- 左と似た画面になると思います。
- 次に、設定(Settings)から「ナビゲーション設定(Navigation Settings)」を選びます。
- 「ルートオプション(Route Options)」の中にある「有料道路を避ける(Avoid tolls)」をオンにします。
以上です。これにより、グーグルマップは有料道路を避けたルートを提案するようになります。
有料道路回避設定方法:Waze
日本に住んでいた頃は、GoogleMapを使用していました。一方、カナダでは「Waze」という地図アプリの活用を使用しています。
Wazeウェブサイトhttps://www.waze.com/apps/
- Wazeアプリを開き、左上のプロフィール(Profile)アイコンを選びます。
- 「設定(Settings )」を選択します。
- その後「ナビゲーション(Navigation)」を選びます。
- 「有料道路を避ける(Avoid Tolls Roads)」をオン(青)にします。
以上です。この設定により、Wazeアプリも有料道路を避けたルートを提案するようになります。
まとめ
カナダの高速道路は、基本的に無料で利用できる便利な交通インフラですが、トロント周辺の407ETRのように有料の高速道路もあります。407ETRは、自動で料金を計算し請求書が届くシステムで、Transponderを利用することで料金を節約することも可能です。
また、カナダでの運転には日本とは異なる交通ルールがあるため、事前に確認しておくことが重要です。ONrouteなどのサービスエリアを活用しつつ、安全で快適なカナダでのドライブを楽しみましょう。