日本にいた頃、私は「北米=日本車が多い」というイメージを持っていました。トヨタが「販売台数世界一」と報じられることもあり、北米市場でも日本車が圧倒的に支持されていると思い込んでいたのです。実際、日本ではトヨタやホンダ、日産(Mazda、Subaru)の車を見かけることが多く、「日本車=信頼性の象徴」として広く認識されています。
しかし、カナダに移住して実際に生活してみると、その印象が大きく変わりました。確かに日本車は多いものの、それと同じくらいアメリカ車や韓国車も走っています。そして、特にアメリカ車のCadillac(キャデラック)や、急成長を遂げた韓国車に対する見方が変わることになりました。
本記事では、私が北米で感じた日本車・アメリカ車・韓国車の実情や、それぞれの特徴についてお話ししたいと思います。
目次
北米は日本車だらけだった?
北米では日本車の存在感は大きいものの、それだけではありません。トヨタ、ホンダ、日産などの日本車は「コスパが良く、長持ちする」と評価され、20万〜30万キロ走っても価値を保つため、中古市場でも人気があります。高級ブランドのレクサス、アキュラ、インフィニティもありますが、本質的にはコスパ重視の選択肢として見られているようです。
一方、フランス車(プジョー、シトロエン、ルノー)はほとんど見かけず、代わりにフォード、クライスラー(ステランティス傘下)、GMのアメリカ3大メーカーが市場を支配しています。フォードFシリーズのピックアップトラックは圧倒的な人気を誇り、スポーツカーではシボレーのコルベット、高級車ではキャデラックが憧れの的です。街ではGM傘下のビュイックやクライスラー傘下のドッジ、RAM、時々リンカーンも見かけます。
また、日本車の普及率の高さゆえに、特定の車種(Honda CivicやAccord)に乗るドライバーのマナーが悪いと感じることもあります。これはブランドの問題というより、単に所有者が多いことが影響しているのかもしれません。
北米では、プジョーやシトロエン、ルノーはさっぱり見ないです。
Cadillac(キャデラック)に対する憧れやリスペクト
Cadillacとは

Cadillacは、GM(ゼネラルモーターズ)が展開するアメリカを代表する高級車ブランドであり、その歴史は非常に長いものです。公式サイト(Cadillac Canada)を見ても、性能とデザインの両方で他の車とは一線を画す存在感があります。
カナダの地元のカーディーラーでも、アメリカ車、特にCadillacのSUV(XT5やXT6)は憧れの的です。修理工場などで話を聞くと、「いつかはCadillacを持ちたい」と語る人が多く、ブランドへのリスペクトが感じられます。
Cadillac Escalade(エスカレード)もありますが、大きすぎる(Too Much)という理由で選ばれることは少ないようです。
要人が使う車
アメリカの大統領や要人が使用する車は、ほとんどがCadillacのセダンやSUVです。特に、大統領専用車両「The Beast」はCadillacがベース(キャデラック・ワン)になっています。これは、日本で言えばトヨタ「センチュリー」のようなポジションに近いと言えるでしょう。中国の場合、「Hongqi 紅旗轎車(RedFlagと呼んだりもする)」にあたるでしょう。
アメリカのドラマや映画では、社長やギャングのような権力者を演じるキャラクターが乗っている車として、キャデラックが頻繁に登場します。次回、アメリカのドラマや映画を観る際には、ぜひキャデラックに注目してみてください。
韓国車の急成長
近年、韓国車の勢いが非常に強くなっています。2020年以降、Hyundai(Kia、Genesis含む)は急激に販売台数を伸ばしており、北米でも普及していると感じます。2023年にはアメリカ販売台数第4位となり、それもうなずけるほど街中でよく見かけるようになりました(参考:こちらへ)
- General Motors:キャデラック、シボレーなど
- トヨタ:我らがトヨタ
- フォード:ピックアップトラックFシリーズ強し
- Hyundai: Hyundai、Kia、Genesisなど
- ステランティス:フィアット、クライスラーなど

体感では、Hyundaiの車はトヨタと同じくらい多く見かけます。デザインが魅力的だと感じた車が、Hyundai(Kia)だったこともよくあります。
Hyundaiの傘下企業
ヒュンダイ自動車(Hyundai Motor Company)は、韓国の大手自動車メーカーであり、いくつかの企業を傘下に持っています。
- Kia(起亜自動車)
- 1998年にヒュンダイが買収し、現在はグループの一員。
- ヒュンダイとプラットフォームや技術を共有することが多い。
- Genesis(ジェネシス)
- 2015年に高級車ブランドとして独立。
- メルセデス・ベンツやBMWに対抗するラグジュアリーブランド。
ジェネシスG80やG90は、昔はポルシェ顔に近かったですが、現在はアストンマーティン顔に近く高級感に溢れます。ロゴはベントレー似ですし。Genesisクーペだと、トヨタ86(Subaru BRZ)、日産Zの潜在顧客とカニバるのではないかなと思っています。
代表的なモデル
✅ Hyundai(ヒュンダイ)
- Elantra(エラントラ):コンパクトセダン。燃費の良さが魅力。
- Sonata(ソナタ):ミッドサイズセダンで、北米市場で人気。
- Tucson(ツーソン):コンパクトSUVで、都市部でも使いやすい。
- Santa Fe(サンタフェ):ミッドサイズSUV。ファミリー向け。
- Palisade(パリセード):大型SUVで、北米市場を意識したモデル。
ヒョンデのElantra、Sonataは本当によく見かけます。
✅ Kia(起亜)
- Forte(フォルテ):コンパクトセダン。
- Optima(オプティマ)/K5:ミッドサイズセダン。
- Sportage(スポーテージ):コンパクトSUVで、ツーソンと同じプラットフォームを使用。
- Sorento(ソレント):ミッドサイズSUV。
- Telluride(テルライド):大型SUVで、北米で非常に人気。
✅ Genesis(ジェネシス)(高級ブランド)
- G70:BMW 3シリーズの競合とされるスポーツセダン。
- G80:Eクラスや5シリーズと競合するラグジュアリーセダン。
- G90:Sクラスや7シリーズを意識したフラッグシップセダン。
- GV70/GV80:SUVラインナップで、ラグジュアリー志向。
Hyundai(ヒョンデ/ヒュンダイ)の戦略
Hyundai(読み方:ヒョンデ・ヒュンダイ)は、手頃な価格の実用車から高級車まで幅広く展開しており、近年ではデザインや技術の向上が評価されています。
走行距離の保証

HyundaiやKiaの車は、特に「走行距離の保証」が付いている点で人気が高まっています。例えば、Hyundai Canadaの公式サイトによると、新車には5年または100,000kmの保証が付いており、これが消費者にとって大きな安心材料となっています(参考:こちらへ)
日本車はもともと耐久性が高いので保証はあまり気にされないかもしれませんが、韓国車が手厚い保証でそれをカバーするのは魅力的ですね。買う側としても安心感があって、嬉しいポイントだと思います。
Amazonウェブサイトで購入可能

最近では、アメリカ48都市で、Hyundaiの車をAmazonで注文できるようになりました。オンラインでの車購入が可能になることで、さらに多くの消費者にとって魅力的な選択肢となっています(Amazonで購入する場合はこちらへ)
Amazonは、Hyundaiと提携し、アメリカの48都市で新車をオンライン購入できるサービス「Amazon Autos」を開始しました。このサービスでは、顧客はAmazonのウェブサイト上で地元のディーラーが提供するHyundai車を閲覧し、注文、資金調達、そして受け取りのスケジュール設定までを行うことができます。具体的には、車種、トリム、カラー、機能などで検索し、既存の車の下取り評価を受け、透明性のある価格情報を確認し、オンラインでの支払い手続きを完了させた後、ディーラーでの受け取り日時を設定することが可能です。この取り組みは、車の購入プロセスをより透明で便利にし、顧客にとってシームレスな体験を提供することを目指しています。詳しくはこちらへ
この発表には驚きました!まさかAmazonで車まで買えるなんて。ちなみに、日本車はAmazonで購入することはできません。
まとめ
カナダに来て、日本車に対する評価は依然として高いものの、それ以外の車の魅力にも気づくようになりました。
- 日本車は信頼性が高く、コスパ重視の選択肢として根強い人気がある。
- アメリカ車(特にCadillac)は、要人が使用する車というステータス性や、ローカルの人々の憧れの対象になっている。
- 韓国車は、近年の技術革新と保証制度の充実により、急速にシェアを拡大している。
特にCadillacに対する見方が変わったことや、韓国車の成長には驚かされました。北米の自動車市場は日本車だけでなく、多様なブランドが競い合う場であることを実感する日々です。