先日、配偶者ビザの申請を無事に終えました。これにより、永住権取得が現実のものとなり、新たな人生の一歩が目前です。私が申請した方法は、正式には「Family Sponsorship」の「Spouse or common-law partner living inside Canada」となります。
申請の準備中、専門家に頼むべきか、どの書類をどこまで用意すれば良いのか、とても悩みました。最終的には、自己解決できる部分と専門家の助言をバランスよく取り入れ、無事に申請を終えることができました。
どのように書類を準備し、申請書を記入したのか、覚書としてここに残したいと思います。これから同じ手続きを行う方々にとって、少しでも役立つ情報となれば幸いです。
全てのプロセスの始まりは、IRCCのアカウントを作成するところから始まります。IRCCとは、 Immigration, Refugees and Citizenship Canadaの略です。
私は主にIRCCサイト、移民コンサルの方のアドバイスを参考にしました。また、こちらのYouTubeチャネル:Hit Submit & Canadaも一部参考にしました。
ここに書いている内容は、あくまでも私が申請した情報に基づいています。各個人の状況に応じて必要な書類や記入内容は異なる場合がありますので、不明点があれば専門家への相談をお願いします。状況に合わせて適切な手続きを行ってください。ご理解のほどよろしくお願いします。
全体の流れ
まずは、IRCCのアカウントを作成するところから始まります。IRCC: Immigration, Refugees and Citizenship Canada
私は、全ての記入を終えるのに、約10日間(記入1週間+見直し3日)かかりました。
前提として
- Principal Applicants(=Sponsored person): スポンサーされる人
- Sponsor: スポンサーする人
特に時間がかかったのはIMM5669とIMM5533でした。過去を思い出す必要があったり(IMM5669)、選択肢が用意されているが故に(IMM5533)、回答に何を選んだらいいのかと悩みました。
申請の順番
- IRCCのアカウントを作成する。
- IRCC:オンライン(digital forms)で以下3つを記入
– IMM0008 Generic Application Form for Canada
– IMM5406 Additional Family Information
– IMM5669 Schedule A-Background - IRCC:以下3つの資料をダウンロードし、記入後、再度アップロード
– IMM1344 Application to Sponsor, Sponsorship Agreement and Undertaking
– IMM5532 Relationship Information and Sponsorship. Evaluation
– IMM5533 Check List - IRCC: Supporting Documentsを準備しアップロード
- IRCC:申請料の支払い($1,205):支払い後に出てくる画面をPDFで保存し、「Proof of Payment」としてアップロード
- IRCC:最後にIRCC申請アカウントの最下段:同意書へ記入し、提出ボタンを押す
②、③、④は順不同です。準備できるものから進めてください。全てオンライン上で完結するのが良いですね。ビザの申請料は$1,205です。必要であればバイオメトリクス料$85を追加できます。
誰が何のフォームを記入するのか?
Sponsor(スポンサーするひと)が記入する箇所
- IMM 1344: 全て
- IMM 5532: Part AとC
- IMM 5533: 2人で作成
Principal Applicants(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入する箇所
- IMM 0008: 全て
- IMM 5406: 全て
- IMM 5669: 全て
- IMM 5532: Part B
- IMM 5533: 2人で作成
スポンサーよりも、Principal Applicantの記入する範囲が圧倒的に多いです。私は、1人で黙々と記入していました。
申請書を提出してから承認までの期間はどれくらいか?
全ての書類を申請し終えた後、どれくらいでビザが承認されるのか、疑問に思いますよね?Processing Timeについては、こちらからご確認ください(IRCCのサイトへ移ります)。
Select an application type: Family Sponsorship
*Spouse visaは、Family Sponsorshipでの申請となります。
専門家へ依頼したほうがいい?
弁護士や移民コンサルタントなど専門家に依頼すると、手続きはスムーズに進むと思います。
専門家へ依頼するメリットとデメリット
メリットとして、IRCCから問い合わせがあった場合、まず初めに彼らが(申請者の代理人として)窓口となり、対応に当たってくれるでしょう。そして、専門家らの適切なアドバイスにより、夫婦間のストレスを最小限に抑えることができるでしょう。
一方デメリットとして、費用が高額になる可能性があります。自分の状況とメリット・デメリットとを比較してみてください。
資料作成途中、どうしても作業の負担がどちらか一方へ重くなってしまいます(主にPrincipal Applicant)。記入開始日1日目と2日目に、とてもイライラしてしまって、夫と険悪になったのを覚えています。もし専門家へ依頼していたら、今回感じたストレスは少なくて済んだのかなと思ったりもします。
専門家へ依頼するといくらかかる?4社見積もり
ちなみに4社に見積もりを問い合わせてみたところ、
- 移民コンサルティング2社(日系):フルパッケージ$3,000、$300で初回相談可
- 移民コンサルティング1社(日系):フルパッケージ$4,350、$125で初回相談可
- 移民弁護士(インド系):フルパッケージ$2,500(Open Work Permitも一緒にサポート)
- *上記金額に、政府への申請料は含まれていません。
- *日系会社の見積金額には、オープンワークパミットのサポート料金は含まれていません
- *インド系の弁護士に相談した際、初回見積もりは$3,000(+$500)でした。交渉の余地ありです。
最終的に、私は日系移民コンサル会社へ相談($300)をお願いしました。事前にいろいろ調べた上で相談に臨んだので、有意義な時間とお金の使い方になりました。
IRCC上で記入するもの:Digital forms
オンライン上(digital forms)で以下3つを記入します。全てPrincipal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入します。
– IMM0008 Generic Application Form for Canada
– IMM5406 Additional Family Information
– IMM5669 Schedule A-Background
次に、「悩んだな」という箇所を紹介しています。
Supplementary Information – Your travels (IMM 5562)について、必須項目ではなかったため、私は記入していません。
IMM 0008:Generic Application Form for Canada
全てPrincipal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入します。
主に、個人情報(名前、性別、国籍、結婚しているか)、これまで受けてきた教育について聞かれます。
Q. National Identity Documentは持っているか?持っていません。
Q. 何年間教育を受けてきたか?
次の例では、合計17年となります。例)小学校(6)、中学校(3)、高校(3)、大学(4)、専門学校(1.51)
専門学校には1.5年通いましたが、小数点は切り捨てて、「1」年としました。
これまで受けてきた教育機関名と学校の住所、学位を聞かれます。
私は、(小学校は書かず)中学校、高校、大学、専門学校のそれぞれの名前と住所、取得した学位を書きました。一番最新のものが上にきて、古いものは下にくるように書いていきます。
卒業証明書などのアップロードは不要です。オンライン上で、あくまでも学校情報の記入のみです。
IMM 5406:Additional Family Information
全てPrincipal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入します。
私と、私の家族全員分の名前(英語+その横に日本語で記載)、誕生日、現住所を書きました。
1人だけ、現住所がすぐに分からなかったので、住所欄には「Unknown」と記載しました。
IMM 5669:Schedule A – Background/Declaration
全てPrincipal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入します。
完成までに時間が少しかかりました。過去10年分「何をしていたか」、「どこに住んでいたか」を書かなければなりません。一番最新のものが上にきて、古いものは下にくるように書いていきます。
過去10年間何をしてきたか:仕事に就いていようがいまいが埋めていきます。
Activityに何を記入するのか、
- 仕事に就いている場合はポジション名を記入
- 仕事をしていない場合は、無職だとUnemployed、学生だとStudentなどと記入
仕事に就いていようがいまいが埋めていきます。空白の期間ができないように注意してください。
過去10年間どこに住んでいたかを記入します。
こちらも、空白の期間ができないようにしてください。
IRCCからダウンロード、PDFで記入後アップロードするもの
IRCCからフォームをダウンロードし、記入後に再度アップロードするものを説明していきます。
事前に準備すること
Adobe Readerを準備する
PDFでの作業を行うため、Adobe Readerをダウンロードする必要があります。
*ダウンロードが必要な方は、こちらへ。AdobeWebサイトへ移動します。
今回のビザ申請ため、私はAdobe有料プランの「無料お試し体験」を使いました。加入から7日間のみ、無料で有料版の機能を体験することができます。また、正式な請求はお試し期間(7日)後から始まります。7日以内に解約すると請求は行われません。私は、なんとか無料体験中(7日以内)に記入を終わらせ、課金される前に有料プランを解約することができました。
エラー:PDFをダウンロードできない場合
IRCCからフォームをダウンロードしようとしても、毎回「Please wait…」としか表示されず、作業が進められないという問題に差し当たりました。この問題は、「Firefox」をダウンロードし、Firefox経由で作業を行うことで解決されました。
Firefox for Desktop: https://www.mozilla.org/en-CA/firefox/new/
私はMACのPCを使っており、普段は「Chrome」を使用しています。肝心のフォームがダウンロードできず、自力での申請を諦めそうになりました。
フォームを記入していく
IMM 1344:Application to Sponsor, Sponsorship Agreement and Undertaking
Sponsor(スポンサーするひと)が記入するします。
Status in Canada: 現在カナダの市民権をもっているが、生まれはカナダ以外の場合は、「Naturalized Canadian citizen」となります。
IMM 5532:Relationship Information and Sponsorship. Evaluation
Sponsor(スポンサーするひと)がパートAとCを記入し、Principal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)がB記入します。
Part A:
- 過去5年間の職歴
- 過去5年間の住所 など
Part B:
- カナダに親戚が住んでいるか?
- 他の人と結婚(コモンロー)したことがあるか? など
Part C:
Q7: Do your close friends, family and children know about your relationship?
Yesにチェックマークすると、次にその詳細を求められます。5人まで書く欄があり、全て埋めるようにしました。オンラインでしか会ったことがない人も書きました。名前を記入し、その近くに「The following individual met the sponsor or principal applicant online」と記載しました。
IMM 5533:Check List
最終確認チェックリスト(IMM 5533)の役割は非常に重要です。Sponsor(スポンサーするひと)と、Principal Applicant(=Sponsored person:スポンサーされる人)が記入します。このフォームは、全ての必要な書類が揃っているかどうかを確認するためのもので、申請プロセスの完了に向けての最終ステップとなります。
このチェックリストには、他の必要なフォームについての質問も含まれています。例えば、以下のような質問が含まれます。
- IMM 1344は書いたか?
- 申請料は払ったか?
- IMM 0008は書いたか?
- IMM 5669 ScheduleAは書いたか?など
これらの質問により、関連する全ての書類が正確に準備されていることを確認できます。
私は、このフォーム(IMM 5533)へ申請準備の「最初」と「最後」に目を通しました。これにより、まず初めに「どれだけの種類の政府書類が必要か」、「どんなサポーティングドキュメントが必要」かをざっくりと把握することができます。この初めの確認作業は、最終的なゴールと申請プロセス全体とを見せてくれるので助かります。
Sponsored Person:Q 11. 代理人を使用しますか? しません
IMM 5533:Part B Supporting Documentsを集める
IMM 5533:Part Bの中で、私が準備したSupporting Documentsを以下に書き出してみました。これら必要資料は、各個人の状況に応じて異なります。
Applicant(スポンサーされる側)に関連する必要書類
- – 日本のパスポート(顔写真のあるページのみ)
- – Status in Canada: 現在のビザ(最新のビザ)
- – Birth certificate: 出生証明書
- – A copy of your family booklet(英訳した戸籍謄本と改製原戸籍謄本)
- – Current Relationship: Marriage Certificate(結婚証明書)
- – Police certificate(私の場合、日本の警察証明書のみ)
- – Photos:PR用の写真(表は顔写真、裏面に撮影日時、お店の名前・住所、自分の名前と誕生日を記載)
- – Proof of relationship to sponsor:
- ①Joint bank accountを開けたときにもらった銀行からの同意書
- ②私+旦那の運転免許証(同じ住所であること)
- – 結婚して2年以内の場合の追加書類
- ①結婚式を含む写真最大20枚(式やイベントで2人で写ったもの)
- ②SNS投稿:友人や家族から、私たちの関係性が認識されているとわかるもの
- ③Joint bank accountを開けたときにもらった銀行からの同意書
2人の関係性を証明する写真とSNSへの投稿については、初めにWord2〜3枚で書き出し、その後PDFへ変換しました。
警察証明書取得に一番時間がかかると思います。なるべく早く取り掛かることをお勧めします。18歳以降、6ヶ月以上(in a row)滞在していた国の警察証明書が必要です。
Sponsorに関連する必要書類
- – Status in Canada: カナダのパスポート
- – Employment/ Source of Income:
- ①雇用主からのレター(収入証明書):会社名、給与、週に何時間勤務が書いてあるもの
- ②Notice of Assessment(最新版)
- *運転免許証(同じ住所であること)
Supporting Documentsの補足
戸籍謄本の翻訳をどこへ依頼するか?
依頼するにあたり必要書類
日本から以下の①と②を郵送または写真で受け取る必要があります。私は家族に市役所へ行ってもらい、取得をお願いました。
- ①戸籍謄本=戸籍全部事項証明書
- 結婚後、私が主になっており、パートナーの記載があること
- ②改製原戸籍謄本(家族構成)
翻訳を依頼するにあたり、翻訳の方とはメールでのやり取りとなります。①②の原本を提出する必要はなく、詳細の写っている写真をメールで送れば依頼完了となります。
翻訳者の探し方
私は、ATIO(こちら)のサイトから、オンタリオ州公認の翻訳者(Certified Translator)を検索し翻訳を依頼しました。
翻訳資料1枚あたり約$50が相場のようです。
サイトの使い方:サイトへアクセスし、左上にある「Directory」をクリック
- Source Language: Japanese
- Target Language: English
- Category: Translator
- Certification Status: Certified
メールで連絡をしたところ、すぐに返事がきました(全てメールでのやり取りです)。仕上がった後、最終チェックのために、一旦PDFを送ってもらえます。内容に不備がなければそれが最終バージョンとなり、その後普通郵便にて原本も送ってもらえました。計3日で仕上げてくださいました。
警察証明書の発行
トロント領事館へ2度足を運ぶ必要があります。また、発行までに2〜3ヶ月ほどかかります。配偶者ビザを申請すると決めたならば、すぐに準備に取り掛かると良いでしょう。
- 1度目の訪問:警察証明書発行の依頼、アポイント必須。持参するものはこちらで確認してください。
- 2回目の訪問:警察証明書の受け取り、アポイント不要。ただし、本当に証明書が受け取れる状態にあるのか、電話で確認したうえで取りに行くのが良いと思います。(私は2ヶ月半経ってから取りにいきました。)
1度目の訪問についてですが、すべての作業を終えるまで約1時間半ほどかかりました。領事館から、近くのエージェンシーへ移動し指紋を採取するように依頼されるため、時間がかかります。時間に余裕をもって訪問することをお勧めします。
まとめ
今回は、Spouse sponsorship(配偶者ビザ)を申請した流れをまとめました。配偶者ビザの申請プロセスは、準備や書類の記入に時間がかかるものの、適切な手順を踏むことでスムーズに進めることができます。専門家に頼るかどうかは、自分の状況やリソースに応じて決定することが大切です。自己解決と専門家の助言をうまく組み合わせ、効率的に申請を進めてください。同じ手続きを行う方々にとって少しでも役立つことを願っています。最終的なゴールに向けて、必要なステップを踏んでいきましょう。