皆さんも、異国の地での暮らしには驚きがつきものですよね。私はカナダに引っ越してから、家に関して「あれ?」と思うことがいくつかありました。
特に、今回は私が「カナダの家ってこうなってるんだ!」とびっくりした2つのポイントを書いていきたいと思います。ひとつは「埋め込み型(壁)スイッチコンセント」、もうひとつは「玄関」です。
今回はそんなカナダの家の特徴についてお話します。
どちらも日本の家とは少し違っていて、初めて見ると戸惑うこと間違いないと思います。
目次
埋め込み型スイッチコンセント
そもそも埋め込み型スイッチコンセントって何?
まず、埋め込み型スイッチコンセントとは何かというところからお話しします。これは、日本ではあまり見かけないタイプのコンセントで、通常のコンセントとは少し違います。
見た目は普通のコンセントですが、スイッチでオン・オフを操作できる仕組みです。例えば、部屋の入口にあるスイッチで照明や家電を操作する際に使います。
便利な反面、最初は「壊れてる?」と思うこともありますよね。リビングルームや寝室にあることが多いと思います。
何のためにあるのか?
このコンセントの主な役割は、特定の電化製品に対して電源のオン・オフを簡単に管理することです。
例えば、部屋の奥に置かれている「照明スタンド」や「壁に取り付けられたライト」などは、埋め込み型スイッチコンセントと連動しており、部屋の入口にあるスイッチで操作できます。
この仕組みのおかげで、部屋に入る際に遠くまで行かなくてもすぐにライトを点けたり消したりできるというメリットがあります。
カナダの家では、このようなスイッチコンセントが本当に多く見られます。
私の体験談
私が初めてこの「埋め込み型(壁)スイッチコンセント」を見つけたのは、カナダで借りた家に住み始めた時のことです。リビングルームにあるコンセントの1つが全く動かないことに気付き、最初は壊れているのだろうと思っていました。
借りている立場なので、「このコンセントは壊れているんだな〜」と認識するぐらいで、大家さんに伝えたりなどはしませんでした。
夫と同居した頃、リビングにあるコンセントが一つ動かないと分かり、業者を呼んで修理をお願いしました。
ところが、業者の方が「これは壊れているわけではなく、スイッチで操作できる埋め込み型スイッチコンセントだ」と教えてくれたのです。この時、初めてカナダの家特有の仕組みに気付きました。
今ではこのシステムのおかげでリビングの照明や家電の充電を効率的に使えるようになり、非常に便利だと感じています。
それは「lighting switch outlet=スイッチ式コンセント」と呼ばれるものであり、不具合ではなく、正常とのことでした。
玄関の文化
日本における玄関の概念
玄関の由来
日本では、家に入るときに靴を脱ぐのが当たり前ですよね。玄関は家の中と外を分ける大切な場所で、一段低くなったところに靴を置きます。
玄関は、外と内の境界を明確にし、家に入る前に靴を脱いで清潔さを保つ役割を果たしていると思います。
仏教からきた言葉ということからもわかるように、玄関という言葉の生まれは中国。日本には当初、「お寺の門」という意味で使われ、実際に書院造や禅寺の客殿などの出入り口がそう呼ばれました。そして禅寺を真似た身分の高い公家の屋敷や武家屋敷に玄関が見られるようになり、家の格式の高さを表わすシンボルとなっていきました。
一方でテレビの時代劇などを見ても分かるように、農家や町屋など庶民の家は、戸を開けたらすぐに部屋(土間)という間取りで、玄関というほどの空間はありませんでした。 江戸時代が終わり身分制度が廃止されると、武士以外には禁じられていた玄関や門が庶民の家にも登場しはじめ、かまどや流しを置く、台所を兼ねた玄関が見られるようになります。またこのころ、「玄関=建物の出入り口」という現在の意味が定着します。
LIXILウェブサイト『玄関ってなぜ玄関っていうの?』より抜粋
カナダの文化:土足で部屋の中を歩く?
しかし、カナダに来て驚いたのは、カナダの多くの家には「玄関」というスペースが存在しないことです。カナダの古い家の多くでは、ドアを開けるとすぐにリビングやキッチンが広がっており、日本のような玄関の概念が薄いと感じました。
玄関というスペースはありませんが、ドア付近にマットが置かれてあり、そこで靴を脱いでいるようです。
変わりつつある文化
しかし、最近ではカナダでも少しずつ玄関というスペースが取り入れられつつあります。新しく建てられた家には、玄関と呼ばれる一段低くなったスペースが設けられており、靴を脱ぐ習慣が浸透しつつあるようです。
私の体験談
私はこれまでルームシェアやホームステイをした経験があり、大家さんは日本人ではありませんでした。家自体に、日本のような「玄関」はありませんでしたが、土足で家の中を歩き回るような経験はありません。
もちろん、日本と比べると、「このくらいなら靴を脱がなくても大丈夫」という範囲や敷居が低いと感じる場面は多いです。
例えば、庭に少し出てから家の中に戻る時や、短時間だけ玄関先に立ち寄る時など、カナダでは靴を脱がずに済ますことが多いです。そのため、靴を脱ぐことに対する感覚が日本とは少し違うなと感じることもあります。
それでも、カナダの家でも基本的には靴を脱ぐことが多いので、私自身もそこまで大きなギャップを感じることなく、快適に過ごしています。
まとめ
カナダと日本の家の違いは、文化や習慣に大きく影響を受けています。埋め込み型スイッチコンセントや玄関の有無は、その一例に過ぎません。
日本の家に慣れている私にとって、カナダの家は新鮮で驚きの連続でしたが、どちらのスタイルにも良さがあります。今では、カナダの家の利便性や文化を理解し、快適に暮らせるようになりました。