カナダ生活

日本とカナダ、電気代が高いのはどっち?:1kWhあたりの料金比較とカナダの配送料金に注意

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 電気代が生活費に占める割合はどの国でも無視できない重要な項目です。特に、気候や電力供給の仕組みが異なる国では、料金体系や電力の使用方法にも大きな違いが見られます。

 この記事では、日本(東京電力エリア)とカナダ(オンタリオ州)の電気代の構造を比較し、1kWhあたりの料金や配送料金(デリバリー料金)について解説します。

 どちらの国が高いか安いかだけでなく、なぜそのような差が生まれるのかについても考察していきます。

わさび

日本では、ほぼ毎日洗濯しますが、天日干しが多く乾燥機を使うことは稀です。一方カナダは、週1〜2回の洗濯頻度で、毎回乾燥機を使用します。また、食器洗浄機は日本よりもカナダの方が大型(ビルトイン)かつ使用頻度は多いような気がします。

東京とカナダオンタリオ州の電気料金

1kWhあたりの料金比較

 まず、東京電力とカナダのオンタリオ州での1kWhあたりの電気料金を比較してみましょう。東京の金額は、東京電力エナジーパートナの「従量電灯C」を参照しました(こちらへ)。

 この比較により、東京電力の1kWhあたりの料金は、オンタリオ州のすべての時間帯よりも高く設定されています。

 日本の料金体系は、使用量が増えるにつれて単価が上昇する仕組みになっており、一方、オンタリオ州は時間帯によって異なる料金設定がされています。

地域料金(1kWhあたり)日本円換算(円)
東京電力(0〜120kWh)約29.80円29.80円
東京電力(120〜300kWh)約36.40円36.40円
東京電力(300kWh超)約40.49円40.49円
オンタリオ州(オフピーク)約8.7セント約9.57円
オンタリオ州(ミッドピーク)約13.2セント約14.52円
オンタリオ州(オンピーク)約18.0セント約19.80円
1カナダドル=110円換算

カナダの電気代、オフピーク、ミッドピーク、オンピークについては、こちらの記事で説明しています。

発電電力の違い

 電気代の構造や料金の違いには、両国の発電方法の違いが大きく影響しています。日本とカナダの発電事情の比較は以下の通りです。

参照:カナダ日本をご覧ください。

カナダ

 2022年の時点で、水力発電が62%を占め、原子力が13%、8%が風力や太陽光を含めた再生可能エネルギーを占めています。カナダは発電した電力の約7%を米国に輸出しています。

わさび

カナダの「ナイアガラの滝」を使った水力発電は有名ですね。また、電気代が安いと、電気自動車購入への心理的ハードルが下がるかもしれないですね。

日本

 火力発電が70%以上を占めており、次いで太陽光(9.2%)、水力(7.6%)、原発(5.6%)、バイオマス(3.7%)、風力(0.9%)、地熱(0.3%)という順で構成されています。

まとめ

 日本の火力発電は、化石燃料を燃焼させて電力を得るため、燃料費がそのまま発電コストに直結します。カナダの水力発電に比べ、コストがかかるため電気料金が上昇する要因の一つとなっていると考えます。

水力発電は実質無料の水という資源を利用するため、火力発電のように化石燃料を消費することなく発電コストが安価で、かつエネルギー変換効率が高いとのことです(火力発電は約30~40%、水力発電は約80%)詳しくはこちら

電気代の配送料金(デリバリー)とは?

カナダ

 カナダ・オンタリオ州の電気代には、電力そのものの料金に加えて、発電所から各家庭へ電力を送るためのデリバリー料金が含まれます。

 オンタリオ州エネルギー委員会が州内の電力会社のデリバリー料金を設定しており、一定の「固定費用」と、使用量に応じて変動する費用が含まれます。詳しくはこちら

わさび

私の場合、毎月40ドルから45ドルがデリバリー料金として加算されています。これにより、1kWhあたりの電力料金が安いにも関わらず、総額として支払う電気代は意外と高くなる傾向にあります。総額90ドル=電気料金45ドル+配送代位45ドル。

デリバリー料金の内訳

  1. カスタマーサービス料金:メーター読み取り、請求、カスタマーサービス、アカウント管理、電力会社の運営に関する固定費用。
  2. 配電料金:配電システムの構築や維持(電線、電柱、変電所など)にかかる変動費用。
  3. 送電料金:発電所から電力会社までの高圧送電システムの維持にかかる変動費用。
  4. ラインロス調整:送電中に失われるわずかな電力を補正するための費用で、オンタリオ州エネルギー委員会が承認した補正係数を用いて計算されます。

デリバリー料金が異なる要因: 地域によってデリバリー料金が異なる理由として、各電力会社の設備の老朽化・状態、サービスエリアの規模、顧客密度や地理的位置、顧客構成(住宅と産業・商業施設の割合)、および地域の地形の複雑さが挙げられます。

日本

 日本はカナダのように別途「デリバリー費」という請求はありません。なぜならば、日本の「電気料金」の中にデリバリー費含む全ての費用が含まれているからです

 日本の電気料金は「総括原価方式」という料金体系が採用されていて、電気料金には発電費用だけでなく、配電・送電費用もあらかじめ含まれています。このため、利用者には一括で「電気料金」として請求されます。

わさび

対してカナダでは、発電と配電の費用が分かれて請求されるため、電力そのものの料金が安く見えるんですね。

ひと月あたりの光熱費

カナダオンタリオ州の場合

 カナダオンタリオ州の平均額は以下の通りです:こちらの記事より抜粋しました(Webサイトへ

Type of Utility Bill in Ontario Monthly Cost日本円換算(円)
The Average Cost of Electricity(電気)  $102.0911,230円
The Average Cost of Water(上下水道)$90.409,944円
The Average Cost of Gas(ガス)$328.9336,182円
1カナダドル=110円換算
わさび

私たち2人暮らしの月額支払額と、表内の電気代、上下水道代は一致します。一方、毎月のガス代は、私たちは夏場80ドル〜冬場200ドル払っており、表の中にある金額よりも低くなります。

日本の場合

 日本の水道光熱費の平均を出してみました。こちらを参照しました。

  • 2人暮らしの平均水道光熱費:月額19,459円
  • 1人暮らしの平均水道光熱費:月額11,686円
2人暮らしの水道光熱費の平均金額
電気代9,515円
上下水道代4,255円
ガス代4,354円
その他光熱費1,344円

1kWhあたりの料金はカナダのほうが安いのに、支払う電気代はカナダのほうが高くなっています。これは、別途、電気の配送費用が請求されるからです。これにより、総額として支払う電気代は意外と高くなる傾向にあります。

わさび

次に配送費(デリバリー)について話していきます。

まとめ

 総合すると、東京電力エリアとカナダ・オンタリオ州では、電気代の仕組みや料金体系が大きく異なります。日本では1kWhあたりの料金が比較的高く設定されているため、月々の電気代が直感的に高く感じられるかもしれません。しかし、カナダでは電気代そのものは安いものの、別途デリバリー費用がかかるため、実際の支払いは安く済むとは限りません。

 また、発電方法の違いによってもコストが左右され、日本では主に火力発電が高い料金設定に影響している一方、カナダは水力発電が多く安価に供給できる利点があります。結局のところ、どちらが高いか安いかは単純に料金単価だけでなく、配送料や地域ごとの発電事情、そして各家庭の電力使用状況によっても変わります。

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怠惰なわさび
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